ママの望みを叶えます 異業種間ブランド「Womama」(3)
ウーママレストランの次に、JTB西日本団体旅行大阪中央支店の人見能暢さんらは宿泊プラン「ウーママステイ」に取り組んだ。
ママのお出かけを後押し JTB西日本「ウーママステイ」
プラン造成はレストラン企画と同様、ママたちのアンケート結果をもとにした。どんな宿泊施設に泊まりたいかとママたちに尋ねると、ハード面ではなく宿の受け入れ態勢だった。「貸切風呂やキッズコーナーなどハード面を重視していると思っていたので意外でした」と人見さん。
ママたちが宿泊施設に求めているのは「快く歓迎してくれる」「事前に相談に応じてくれる」といった基本的なこと。加えて「離乳食や子ども向け飲料の持ち込みができる」「子どもが触らないように、床の間の壺や掛け軸など調度品を撤去しておいてほしい」など、宿側のちょっとした配慮でクリアできることだった。
「そのほか、旅館からどのくらいの距離に病院があるだとか、アレルギー食に対応できるかどうかなど、宿泊施設の情報を正しく提示することがポイントだと分かったんです」
事前にママの不安を解消する項目をウーママのホームページに掲載し2007年3月末から、全国の旅館ホテル60軒で宿泊プランをスタート。年間目標は1080人と据えた。
インターネットだけの告知にも関わらず、スタート当初から申し込みが殺到した。JTBグループを挙げての取り組みになり、宿泊施設も増えていった。
「現在130施設に参画いただいています。昨年12月25日で1万人を突破し、1万481人の方に宿泊いただいています」。関西だと大阪から2時間圏内のホテルグリーンプラザ東条湖(兵庫県加東市)や琵琶湖ホテル(滋賀県大津市)のほか八景(岡山県湯原温泉)、首都圏では鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)や軽井沢プリンスホテル(長野県軽井沢町)、仙台圏では蘭亭(宮城県秋保温泉)といった施設への販売が多いそうだ。
プラン利用客からは「私たちも行っていいんだ」「これまで断られるかと思っていた」という声が多かったという。
人見さんは繰り返し「私たちは、ママたちの背中を押しただけ」と強調する。プランの申し込みは、子どもが寝静まった22―23時がほとんど。「独身時代に旅行が当たり前だった今のママたちと、インターネットという販売チャネルがあったからこそ、ウーママはこれだけヒットしたと思うんです」。
今春からは、満を持して「ウーママトラベル」の販売を開始する。子連れ旅行ではない、日ごろの育児に疲れているママを癒す「ママが主役」の旅行を子育てママに提案する。
(トラベルニュースat 08年1月25日号)
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