観光庁が発足 訪日外客2千万人を目標に(2)
観光庁が発足した1日は、終日、観光庁関連の行事が行われた。
合言葉は「開かれた観光庁」 金子国交相と本保長官が訓示
午前10時前から国交省や観光庁が入る中央合同庁舎3号館正面で、観光庁職員と多くのマスコミが見守るなか、観光庁看板の除幕式が行われた。除幕式には、金子国交相と本保長官が出席。本保長官はやや緊張気味な様子で、カメラクルーの注文に応えていた。
このあと、午前11時から金子国交相と本保長官が観光庁職員に対し訓示を行った。
金子国交相は「新しい庁の発足は金融庁以来です。念願の発足であり、国民、観光関係者の期待は本当に大きい。2020年までの訪日外国人旅行者2000万人達成という大きなターゲットを、具体的にどのように実現させていくかが観光庁長官の大きな宿題です」と話した。
本保長官は「観光庁の使命は観光立国の推進であり、観光立国推進基本計画の達成です。大きく、難しい課題ですが、熱意と力を合わせることで実現できると確信しています。今までの延長ではなく、より多くの関係者と連携することで推進することが可能です」と観光立国の実現に向けて抱負を述べた。
また、観光庁という新しい組織について「スピード感を成果を大事にしたい。開かれた観光庁を合言葉に、職場に新しい文化と意識を創造しましょう。私が先頭に立ちます」と話した。
訓示には1日、2日で辞令を受けた117人の観光庁職員の大半が出席した。観光庁の発足で、観光関連の職員は従来、国交省総合政策局の80人態勢から大幅に拡充された。民間や地方公共団体から27人、他省庁から3人が観光庁に出向している。
午後に行われた記者会見で本保長官は、観光立国推進基本計画の実現や観光立国推進について「できるだけ早く、観光庁としてのビジョンとアクションプランをまとめ世に問いたい」と考えを示した。
夜には都内のホテルで観光庁発足を祝うパーティーが開かれ、在京の60カ国の大使らを含む1500人が出席した。
来賓の河村建夫・内閣官房長官が「観光は21世紀の国づくりの柱。政府をあげて推進する」と、麻生太郎首相のメッセージを代読したほか、二階俊博経産相が「待望久しい観光庁が発足しました。1年後には観光庁が何をしてきたかが厳しく問われます。覚悟して頑張りましょう」と激励した。
(トラベルニュースat 08年10月10日号)