地方から声をあげる(2) 新潟―4期目続投で課題克服
新潟県旅館ホテル組合(564軒、野澤幸司理事長=湯田上温泉・ホテル小柳)は5月23日、湯田上温泉のホテル小柳で2013年度総会を開いた。役員改選では野沢理事長を再任、4期目のかじ取りを託した。浅野謙一副理事長(瀬波温泉・夕映えの宿汐美荘)が退任し、石塚正行さん(月岡温泉・ホテル摩周)が副理事長に就いた。
観光誘致と原発損害賠償要望
総会には組合員122人のほか、佐藤信幸・全旅連会長ら来賓多数が出席。懇親会には今年4月に就任した花角英世・新潟県副知事が出席した。
新潟県では2014年4―6月に「うまさぎっしり新潟DC」が予定されている。観光客誘致の一方、東京電力原発事故による観光業への風評被害に対する損害賠償交渉も課題で、5月14日には東京電力に対して新潟県全域を損害賠償の対象にするよう要望を続けている。
野澤理事長は「風評被害による損害賠償は今年3月に県内の十日町市と魚沼地域が対象になったことで少し風穴があいた。引き続き新潟県全域を対象にするよう求めていく」と話した。
13年度の予算規模は4800万円。予算にはにいがた朝ごはんプロジェクトの推進など新潟県からの受託事業1600万円やNHK受信料徴収事務手数料約200万円などが含まれている。
来賓からは佐藤信幸・全旅連会長(山形県かみのやま温泉・日本の宿古窯)があいさつし、改正耐震改修促進法と消費増税への対応について理解と協力を求めた。
改正耐震改修促進法については、東日本大震災時に旅館業界が延べ525万人泊の被災者を受け入れた実績から、政府に対し旅館ホテルを防災拠点施設と認めてもらうよう求めていることを紹介した。防災拠点施設に対しては耐震改修などに手厚い助成制度がある。
また、2014年4月からの消費増税への対応では、2017年3月までの3年間に限って外税表示が認められる「消費税の価格転嫁対策などの特措法」について詳しく解説。「増税分を価格転嫁できなければ我々の業界はもたない。3年間で価格転嫁を徹底、定着させる運動を進めたい。お客さまや取引先である旅行会社に対しても徹底したい」と話し、業界全体での取り組みになるよう協力を求めた。
懇親会では花角・新潟県副知事が「新潟にはいいものがぎっしりと詰まっています。これらをほぐしたり、結び合わせて魅力をわかりやすく伝える努力をしていきたい」などと話した。
(トラベルニュースat 13年6月10日号)
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