全国各地でプロデュースの実績 地域活性化研究所/幸南食糧特集
生産者の思いを商品に反映
地域活性化研究所ではこれまでにも多くの実績を重ねてきた。その一端を紹介する。
福岡県では、地元イラストレーターによるイラストを米袋にデザインし、アイキャッチを高めて大手百貨店での流通につなげた。和歌山県では同県のみかんジュースを首都圏向けギフトセットにするため、ラベルや箱のデザイン、販路提供までトータルでプロデュースした。
岩手県陸前高田市では東日本大震災の農業復興支援として、岩手県の米や醤油、味噌を詰め込んだ「岩手陸前高田応援セット」をパッケージにして復興応援セットで販売。また地域活性化プロジェクトの一環で、このほど陸前高田市産の米を使った無菌米飯の「陸前高田市ごはん」を開発し、5千個を同市に寄贈。同市の子どもたちに配るといった取り組みも行っている。
福島県会津若松市からは関西圏で「会津厳選ライス」の販売PRを依頼され、百貨店でイベントを開催することにより関西の消費者と生産者をつないだ。
岡山県美作市は、日本で初めて特別栽培米「もち麦」の栽培に成功。市を挙げて「日本一のもち麦」の生産を目指しているが、もち麦の加工品の商品開発の相談を受け、2020年の秋から販売をスタートさせる準備を進めている。
香川県まんのう町ではアドバイザー業務として同町農産物の6次産業化を推進中。毎年百万本咲くひまわりを活用したオイルやひまわり牛、ひまわり米に至るまでブランド化。ギフト商品としてカタログを制作するなど幅広い商品開発、販路開拓など地域をまるごとプロデュースしている。イベントやインターネットなどを通して売り上げのアップを図るほか農産物の認知度の向上にも一役買っている。
兵庫県丹波市では氷上町の特産である小豆を使った商品づくりを行った。産学連携プロジェクトとして地元、氷上高校の食品ビジネス科の高校生の意見を取り入れ、地元出身のイラストレーターにパッケージを依頼。
丹波は戦国時代、明智光秀が大将となった織田信長軍に攻められたが“丹波の赤鬼”と恐れられた赤井直正という武将が受けて立ち、打ち負かした歴史がある。最終的には直正が病死し戦には負けるが、この秘話を元に小豆を使った赤飯を「赤鬼飯(あかおにめし)」と名付けて商品化。地元の歴史物語を農産物に活用し、地域活性化につなげながら全国から観光客が訪れる道の駅のほか、イベント会場やインターネットなどで販売している。
生産地の企画戦略のアドバイスや販路の相談・指導を行う6次産業化プランナーの資格を持つ橋本所長は「農産物が一定のルールに守られて流通・消費されるだけの時代は終わりました。農産物には生産者の思いがありますが、その思いを大切にし、地域性を活かした商品を作ることで地域の発展を応援するのが私たちの研究所です」。
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